全国の生産者さんとつながり、木竹の道具や木のおもちゃを扱っている、長野県木曽の酒井産業さん。
全国の生協さんに、キッチン用品や、玩具を卸しています。
今回、 東京営業所のオフィスのミーティングコーナーの木質化をお手伝いしました。
小さいスペースですが、国産のひのきをふんだんに使用し、暖かい空間になりました。
社員のみなさんと、DIYで!
●アイデアを膨らませつつ・・・
長野県塩尻市に本社のある酒井産業さん。
奥深い木曽谷に囲まれた本社には、配送センターやショールームのある建物の中に大きな暖炉のある会議室があり、ひのきや杉がふんだんに使われていて、とても癒される空間です。寒い冬に尋ねると、暖炉の暖かさが身に染みます^^
豊島区にある東京営業所には、先鋭の4人の社員さん。
コンクリートブロックの街のなかで、室内に癒しが欲しい、長野のように木を感じる中で仕事がしたいね、、、ということで改装プロジェクトが始まりました。
木の香溢れる空間にしたい、壁一面を格子状の棚を作って商品サンプルをならべたい。森のジャングルのように緑の葉っぱで覆いたい、森で切った太い材をそのままもってきてベンチを置きたい、、などなど、社員さんの妄想は肥大していきます。。
そうは言っても、マンションの一室のこじんまりとしたオフィスのミーティングコーナー。
予算もありますし、できることは限られます。
何度かのアイデア出しを経て、今回はひのきで囲まれた木の空間をつくることになり、さらに材料を調達をして社員総出のDIYリノベーションで決行することになりました。
●改装当日への準備
何度かのプラン打ち合わせのあと8月工事がのびにのびて、10月始めにプラン確定。
その後10月下旬の工事決行となり、資材調達にはギリギリの時間しかなく、急ぎ発注へ。
通常内装工事では、設計図を描いた後、施工業者の見積もり施行管理となるのが設計者の仕事です。
ですが、今回は社員さんとのDIY工事で、工期は1.5日。現地に電動の丸鋸などは持ち込めない、使わない中でほぼ1日で完了させるという工程です。
ですので、材料は全て発注段階でミリ単位カットのオーダーと、素人のできる工法での施工方法を検討しました。
もちろん、大工さん一人入ればお任せで楽々の仕事ですし、もっと予算があれば、全部施工業者に出せばいいのです。
ですがそこのコストを節約しつつ、「みんなでつくる」を実現すべく、緻密に部材を調達しました。
●いよいよ当日!
DIY当日までに、続々と運ばれる資材で部屋が埋まるほどに。
オフィスの中にはひのきの香りが充満しています。
前日の夕方には、翌日の作業をスムーズにするために、少しだけ手間のかかる準備をしました。
お姿はスーツですが、海外留学経や森の活動をしていたTさんと、大学院で漆器の研究をされていた手先の器用なOさんのお二人ですので、大変心強いです。
さて、当日。
今日は、女子社員のお二人も参戦。このお二人
DIY初めてなんです〜。
トンカチ図工の時間しかつかったことないです〜
とか、いいながら始めましたが、
なんとなんと。その手際の良さであっという間に壁が立ち上がりました!
今回はひのきの板で壁を作りますが、壁や天井には一切傷をつけなくて済むように2✖️4(ツーバイフォーといいます)の杉材の柱を立てて、それに羽目板を貼る方法です。DIY界隈では有名な天井で突っ張る工法で、金具のシンプルさからカインズの金具を使いました。また、普通の2✖️4材は輸入のスプルス材ですが、ここはやはり国産の材料にこだわりたいので、杉の2✖️4を扱っているWoodproさんから購入。
この羽目板を取り付ける方法。
DIYでその日に完成させたいが、みなさんの腕と材料の状態によって対応できるよう、3パターン考えていったのですが、羽目板のさね(段差)の中に小さな釘を打ち込むという、一番難しい、かつ、きれいにできる方法をみなさん楽々と取得し、あっという間に綺麗な羽目板の壁が完了!
女子の力、侮るなかれ、です。あ、もちろん、男子のお二人のお力があったればこそです^^
ここで一息
すごい〜できた〜!!
と、喜びも束の間、そして 最後の難関は、この棚です。
工事中の写真がありませんが、棚受けを見せたくないために、壁側に取り付けた金具を棚の厚みの中に差し込むという、DIYではほとんどやらない方法にチャレンジ。
これには、レーザーを使ってのレベル出しに加えて、手先が器用なOさんの粘りとこだわりで、難局を突破!
最後の棚が、金具に差し込まれた時には、安堵と歓喜の涙も出るほどに(言い過ぎか^^)、というほどの工事でした。
パチパチパチ!!
みんでやるリノベーションはちょっと大変だけど、楽しい!
当初、部材の寸法は少しでも合わなかったり、現場合わせなので当日の1日でできるかどうかドキドキもありましたが、終わってみれば時間通り、夕方6時には工事が完了!
ひのきのプランターや写真、当日手配したパキラもセッティングできました。
届けてくれた植栽業者さんも、「廊下にまでひのきの香りがしています〜。いい香りですね〜」と。
もちろん、ひのきの香りは時間と共に落ち着いて、なれていくうちにそれほど強くは感じなくなりますが、
ひのきの木肌に包まれた空間に、ひのきのアロマスプレー やディフューザーで香りを楽しんでいただけます^^
その後ここでZoom会議をしたり、調べ物など落ち着いて仕事ができて捗るそうです。
また来社されるお客様にも好評だそうで、まちの中の小さな森になれたらいいですね。